八月八日に黎明が見たかったので富士山に登った。
その記録。

登ったルート:吉田ルート
行程
8/7  5:29最寄り駅電車発、八重洲南口から富士山駅へのバス。6:20発。富士山駅8:37予定だが、

8:34には写真を撮っているので予定より早く着いている(あまり覚えてない)。登山口である富士スバルライン五合目へ向かう登山バスは8:50発。登山バスの運賃はデジタル版「富士登山便利帳2019」だと2200円だったが、繁忙期だからか消費税増税を控えているからか、往復2300円だった。許せん(富士急行のHPではちゃんと2300円)。

 富士スバルライン五合目、標高2305m。空よりも近い場所。 大変な人混みで、バスがロータリーに着くも数分待たされるほど。オーバーツーリズムの弊害みたいなものを身近に感じた。普段は人の居ないところばかり行くので辟易。神社があったけど混んでたので行かず。やまどうぐレンタル屋でストック2本とスパッツを予約していたので、受け取る。これらの使い勝手は下で記述。30分くらい身体を高度に慣らして高山病予防のため五合目で待機。とはいえバスから下車するまでで数分、レンタル道具を受け取るなどで数分経ち、あまりゆっくりはしなかった。

1033に投稿しているので、バスが遅れたもののほぼ予定通りの出発。
 その後は休憩をはさみつつも標高を順調に稼いでいく。というか呟いたり写真を撮ったりしているけど記録取りながら登ったわけではないし、六合目から七合目までどうだとか、ぶっちゃけ覚えてない。ルート途中の景色や足元がどんなもんか知りたければ各自ググってください。
[これは七合目トモエ館の肉うどん]高いし小さいね。1230頃。それからは小休止をはさみながらズンズン登っていく。途中、同い年くらいの3人組と抜かし抜かされをしながらで、話してみると同じ宿に泊まるそうで、お互い頑張りましょうとなった。後から聞いたが就職が決まったM2で、就職が決まってないわしは肩身が狭い思いをしました。 宿泊をする本八合目トモエ館に着く予定は1630だったが、16時前にはチェックイン。1640に夕食。ハンバーグカレーだった。斜め向かいに座った方がそんなに食べられないからとご飯をわけてもらった。行動食も食べていたが結構お腹が空いていたので感謝。
飯を早々に食べ終わり寝袋にイン。17時前には寝た。

 山小屋は狭く、寝袋を5つ並べたところで寝る、という形が取られ、端っこをあてがわれ両隣に人がいるよりはラッキーかなと思っていたが、隣の外国の方が寝ながらこっちに寄ってきて肩がよくぶつかった。マジ勘弁。そんな具合で早めに寝たものの、2030くらいから覚醒して、気合で寝るも30分後にはまた目が覚める、というのを4回くらい繰り返した。というか暑かった。人口密度が高すぎる。2230に一旦外に出ると、東のほうが明るく、オッもうだんだん明るくなっていくのか~と遠方の街の光を日の出と勘違いして出発。もちろん勘違いだけが出発の要因ではなくガイド本などのオーソドックスなスケジュールの1-2時出発だと御来光のためクッソ渋滞するらしいというのを事前に知っていたので、渋滞は勘弁だなとも思っていたので、出発したのです。途中の山小屋で休憩していた方から浅間山噴火の情報をもらう。ラジオはあったほうがいいラジね。

 途中休憩の際ヘッドライトを消して満天の星空を眺めたり流れ星に何事かを祈ったりして0030くらいに登頂。ヘッドライトを消すと足元はもう真っ暗で何も見えず怖かった。空のほうが明るい。山頂に入るときは少しの階段と鳥居があったので、強く強く願いながらくぐった。「天気の子」おたくなので。山頂は寒かったが寝ている方が複数。外国の人マジタフネス。明るくするのも申し訳ないと思いつつ、スマフォのライトでザックから折りたたみクッション(座布団みたいなやつ)とダウンを取り出す。御来光まで時間がありすぎる。寒い。聞いたことあるような声の3人組が後ろの方で喋っていて、宿が一緒だったM2の人たちかなと思って暗くて顔がわからないながらも声をかけてみた。向こうもわしが誰かわからん感じだったが同定できたので、隣に並んで座って御来光を待つことに。彼らはガスとかコッヘルとか持ってきていたので寒い中、袋麺を共有させていただいた。袋の塩ラーメンは小学生の頃からよく休日の昼に食べていて、袋麺の中でも塩は食傷気味であったが、このとき食べたラーメンは、言うまでもないがいままで食べた袋麺の中で一番おいしい食事だったと思う。「天気の子」おたくなので。登っているときは寒さを感じなかったがじっとしていると寒いもので、しかも足は薄手だったのでサバイバルシートを巻いていた。院生さんチームは寝不足と寒さでダウンしかかっていたので話し相手もおらず暇だったがスマフォを触るのも寒かったので手袋をしてじっとしていた。 下の山道はヘッドライトを点けた人たちが列をなしており、これが黎明前の渋滞ね・・・・と感慨深かった。前述の通り、山小屋のHPや、参考にした本の情報だと1,2時ごろ登り始めるというのが基本だっのようだったけれど渋滞で疲弊するより防寒具マシマシで数時間上で待つほうが、満天の星空で流れ星も見えるし、早く行けば日の出を最前線で見れる席を取れるので天気が悪くないのなら賢明かもしれないと思った。日の出は0445前後で、4時になると空がだんだん白んできていた。登頂者もかなり多く賑わい、山小屋も開いて豚汁を売っていたが東にあるベンチの一番前に座っていたので、早くに来て座った特等席を他人にとられてたまるかと座り続け、少しずつ明るくなる東の空を写真に収めていた。

陽菜さん「ねえ、今から明けるよ」
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 あいにく東の空には雲がかかっていたが、空は白く明るみ、雲間から光が差してくる。初島でバイトしていたころ、寝付けない夜はルームメイトと東端に行き朝日を見たりしていたが、ぶっちゃけそっちのほうが良かったですね。人いないし。まあ最前列だったので他の人間のことを考えずに黎明と向き合えたのは良かった。陽が昇りきるとぞろぞろとギャラリーは解散し、院生さんチームとも別れた。行動食を食べ、サバイバルシートを畳んだりして、お鉢めぐりをした。時計回り(左回り)に巡ったが、最高地点近くの馬の背と呼ばれるところは全く急なもので、右回りにすればよかったと船頭多くして船山に登った。航海(後悔)ということです(ことわざを確信犯的に誤用するのはやめましょう)。一周して、吉田ルートの下りへ。

 下山道は砂埃の立つ砂礫の道でブルドーザーも登るためくねくねしている。砂埃をアホみたいにたてながら勢いよく下っていくアホを事故ってくれと傍目に見つつ下る。途中院生さんチームと合流し、一緒に下ることに。飲料がなくなり、しかも下りでは売店がないため、結構辛い思いをしながら下りていった。下っていても周りに少しずつ植物が生えてくるくらいで景色も全く変わらないし結構砂っぽいので写真を撮ろうという気にもならず。というか疲れてそういう気分にならない。六合目まで行くと上りとルートが重なるが、そこからも結構長く横に向かって歩くので、大変辛い思いをしながら富士スバルライン五合目まで向かっていた。~~リーザスはまだか・・・・。~~  泉ヶ滝というスポットがあるが、行きと帰りと水は流れておらず枯れていた。そんなこんなで富士スバルライン五合目に到着、院生さんチームと一緒に写真を撮ったり、ご飯を食べたりした。連絡先も交換せずに別れてしまったが、いつか会うこともあるだろう。将来の勤め先も一応教えといたし。3ヶ月で辞めてるかもともちゃんと伝えた。えらいっ!  富士山駅にバスで戻り、帰りのバスを取っていなかったので席を取り、富士急ハイランド近くのふじやま温泉で砂や汗やを流した。

荷物、装備について

 基本的に本のチェックリストやアートスポーツのチェック表を頼りに揃えた。
 レンタル品のストックは岩場を登る時など邪魔に感じるときもあったが、長時間上り下りするので、あったほうが疲労が少なくて済んだと思う。1本持ちよりも2本のほうがいいと思います。スパッツとはブーツカバーみたいな感じで靴とズボンの間につけ、小石や砂が靴の中に入らないようにするもの。吉田ルートの下りはずっと砂っぽいところを下り続けていくのでスパッツはあったほうが便利。必須。マスト。帆。帆高!
 レインジャケットは買う金がもったいないと感じ、バイク用の性能はいいが重くコンパクトにはならないものを持っていき、なんなら手袋もバイク用の革手袋を持っていきました。岩登るとき傷めないし頂上で寒くないし手袋はそれくらいごつくてもいいくらい。他の人の手は園芸用、作業用手袋みたいなのをしている人が多かった印象。もちろんしないで登る人もいる。防寒装備も親のお下がりの普通のダウンジャケットを持っていったので、レインジャケットと合わせて重量があり、ザックは満パンで、空のペットボトルが入る余裕がなかった。ゴミを捨てられない、というのがなかなか困る。BUFFは防寒具にも防塵マスクにもなって便利。ただ自分は蛍光イエローのものだからか、虫がよく集まってきた。長時間座るならクッションは持っていったほうがいい。というかクッション防寒具ありで頂上で待つスタイルを提唱したい。サバイバルシートも防寒に便利。ヘッドライトは昨年バズったamazonのやつを持っていきました。明るくてよろしいのではないでしょうか。
 肌の露出は顔だけだったしサングラスもしてたので日焼け止めは持っていかなかった。携帯酸素もいらんやろって思って持っていかなかったが、高所でシュコーってしてる人を見てめちゃくちゃやってみたい欲に駆られて降りてから買って家でやってしまったので後悔したくない人は持っていくといいと思います。

飲料・食料について

 荷物は軽いほうがいい、山小屋で高くても買い足していけばいいと思い、500ml水2本持っていって登っていた。7合目トモエ館で500mlアクエリアス、夜中に宿泊した本八合目トモエ館を出るときにまた500mlアクエリアスを買った。しかし、降りるときには飲料をほぼ飲み終わってしまい、途中の小屋も水を売ってる山小屋ではなくただのトイレで、水なしで五合目まで下りることとなった。
 食料は、カロリーメイト2箱、濃厚チョコブラウニー(ブルボン)4つ、塩分チャージタブレッツ(カバヤ食品)、ぶどう糖(大丸本舗)を持っていった。山小屋で昼に肉うどんを食べたり、山頂でラーメンなどをわけてもらったので食料は問題なく、ハンガーノックにもならなかった。

怪我について

 幸運にも、低体温症、高山病にならず、落石に当たることもなく、滑落することもなく、富士山が噴火することもなく(浅間山は噴火した)、喪無く事無く登下山した。ただ下山中の落石避けのトンネル内で滑った際に一度手の甲をコンクリの壁でグレイズし、インディカ米ほどの大きさの傷を作った。あと、下山してから左足親指に水ぶくれができた。下山している最中から痛かったけど。

お金について

保険(やまきふ共済) 660円
バス 東京駅-富士山駅 1960円
登山バス 往復 2300円
道具レンタル代 2550円
山小屋宿泊夕飯付き 6500円
ふじやま温泉 1800円
バス 富士急ハイランド前-東京駅 2000円
肉うどん 800円
アクエリ*2 800円
総額 ごめんちょっとそろばん弾きたくない。というか今まで適当装備だったのをザックやウェアや一揃えしたからそれも考慮すると……ウッ
 トイレは五合目では100円の寄付、途中の山小屋では200円、山頂では300円を求められる。金を出し渋って尿を出し渋って不健康になるのもアホらしいので入山料出させてトイレ利用無料にしたほうがいい。

参考にしたもの

『富士山ブック2019 別冊 山と渓谷』通巻701号
ART SPORTSの富士登山装備表